大腸菌は、人や動物の腸管内、下水などにおり、通常病原性はありませんが、一部胃腸炎症状の病原性を有する菌もあります。
こうした大腸菌を一般に下痢原性大腸菌と呼んでおり、現在、次の4つのタイプに分けられています。
●病原血清型大腸菌(EPEC)症状;下痢、腹痛を症状とした急性胃腸炎
●毒素原性大腸菌(ETEC)腸管内で産生される毒素により、水様性の下痢をおこす。
●組織侵入性大腸菌(EIEC)腸の細胞内へはいり、血便、腹痛、発熱等赤痢のような
症状をおこす。
●ベロ毒素産生性大腸菌(VTEC)腹痛、血便などの出血性大腸炎を起こす。
小児や高齢者は溶血性尿毒症症候群を併発することがあり、重症となる場合がある。
大腸菌は、人から人への感染や、水を介して大規模な集団食中毒を引き起こすことなど、軽視できない細菌です。特にベロ毒素産生性大腸菌は、症状が重くなる場合があり、注意が必要です。
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