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 衛生豆知識(ノロウイルスの予防対策Q&A)




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カンピロバクター食中毒はどのくらい発生しているのか?

 
カンピロバクター食中毒は、近年、わが国で発生している食中毒の中で、発生件数が最も多い食中毒です。
患者数も平成17年はノロウイルス、サルモネラ属菌に続いて3番目に多くなっています。
また、カンピロバクター食中毒は患者数が1名の事例が多いことも特徴の1つです。


全国カンピロバクター食中毒発生状況(平成13年〜平成17年)
 
平成13年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
平成17年度
発生件数
428
447
491
558
645
発生患者数
1880
2152
2642
2485
3439
患者1名発生件数
322
327
341
422
428
 
 




1)カンピロバクターとは、どのような食中毒細菌なのか?

 
 
カンピロバクターは、家畜の流産あるいは腸炎原因菌として獣医学分野で注目されていた菌で、ニワトリ、ウシ等の家きんや家畜をはじめ、ペット、野鳥、野生動物などあらゆる動物が保菌しています。
1970年代に下痢患者から本菌が検出され、ヒトに対する下痢原性が証明されましたが、特に1978年に米国において飲料水を介して約2,000人が感染した事例が発生し、世界的に注目されるようになりました。

カンピロバクターは15菌種9亜種(2000年現在)に分類されていますが、ヒトの下痢症から分離される菌種はカンピロバクター・ジェジュニがその95〜99%を占め、その他カンピロバクター・コリなども下痢症に関与しています。
カンピロバクターは本菌に汚染された食品、飲料水の摂取や、動物との接触によってヒトに感染します。100個程度と比較的少ない菌量を摂取することにより感染が成立することが知られています。




2)カンピロバクターに感染するとどんな症状になるのですか?


症状については、下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔気、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などであり、他の感染型細菌性食中毒と酷似します。

多くの患者は1週間で治癒し、通常、死亡例や重篤例はまれですが、若齢者・高齢者、その他抵抗力の弱い者は重症化の可能性が高いことに注意が必要です。

また、潜伏時間が一般に2〜5日間とやや長いことが特徴です。また、カンピロバクターに感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されています。



3)どのような食品がカンピロバクター食中毒の原因になるのですか?


カンピロバクター食中毒発生時における患者の喫食調査及び施設等の疫学調査結果からは、主な推定原因食品又は感染源として、鶏肉関連調理食品及びその調理過程中の加熱不足や取扱い不備による二次汚染等が強く示唆されています。

2005年に発生したカンピロバクター食中毒のうち、原因食品として鶏肉が疑われるもの(鶏レバーやささみなどの刺身、鶏のタタキ、鶏わさなどの半生製品、加熱不足の調理品など)が66件、牛生レバーが疑われるものが15件認められています。

また、欧米では原因食品として生乳の飲用による事例も多く発生していますが、我が国では牛乳は加熱殺菌されて流通されており、当該食品による発生例はみられていません。
この他、我が国では、不十分な殺菌による井戸水、湧水及び簡易水道水を感染源とした水系感染事例が発生しています。




4)鶏肉はどの程度カンピロバクターに汚染されているのですか?

 
厚生労働科学研究食品安全確保研究事業「食品製造の高度衛生管理に関する研究」主任研究者:品川邦汎(岩手大学教授)において、市販の鶏肉についてカンピロバクター汚染調査を行ったところ、カンピロバクター・ジェジュニが鶏レバー56検体中37検体(66.1%)、砂肝9検体中6検体(66.7%)、鶏肉9検体中9検体(100%)から分離されました。

また、大規模食鳥処理場併設食鳥処理施設におけるカット鶏肉についてのカンピロバクター汚染調査の結果は、定性試験で135検体中91検体(67.4%)、定量試験で135検体中86検体(63.7%)が陽性でした。
一方、厚生労働科学研究食品安全確保研究事業「細菌性食中毒に関する研究」主任研究者:高鳥浩介(国立医薬品食品衛生研究所衛生微生物部長)では鶏肉の汚染率は20〜40%と報告されています。

これは農場や食鳥処理場による鶏肉の汚染率のばらつきのほか、検査法による検出率のばらつきが反映されているものと思われます。なお、同研究においてブロイラー農場での汚染状況を調査したところ、2003年は57.8%、2005年は20.5%という結果が出ています。


5)牛レバーはどの程度カンピロバクターに汚染されているのですか?


厚生労働科学研究食品安全確保研究事業「食品製造の高度衛生管理に関する研究」主任研究者:品川邦汎(岩手大学教授)において、健康な牛の肝臓及び胆汁中のカンピロバクター汚染調査を行ったところ、カンピロバクターは、従来、胆汁には存在しないと考えられていましたが、胆嚢内胆汁236検体中60検体(25.4%)、胆管内胆汁142検体中31検体(21.8%)、肝臓では236検体中27検体(11.4%)が陽性であることが示されています。

また、肝臓中のカンピロバクターの菌数は平均で10〜55個/g(部位による)でした。



6)カンピロバクター食中毒の予防方法は?

カンピロバクター食中毒は、加熱調理によりカンピロバクターを死滅させること、及びカンピロバクターに汚染されている可能性のある食品からの二次汚染を防止することにより予防が可能です。

具体的には、
(1)食肉は十分に加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)を行う
(2)食肉は他の食品と調理器具や容器を分けて処理や保存を行う
(3)食肉を取り扱った後は手を洗ってから他の食品を取り扱う
(4)食肉に触れた調理器具等は使用後洗浄・殺菌を行うことが重要です。


7)どのようなカンピロバクター食中毒の予防対策がとられていますか?


カンピロバクター食中毒の原因食品の一つである鶏肉については、食中毒菌による鶏肉汚染の防止等の観点から、食鳥処理場の構造設備基準や衛生的管理の基準が定められた「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」が1991年に施行されました。

また、1992年には、「食鳥処理場におけるHACCP方式による衛生管理指針」を定め、食鳥処理段階における微生物汚染の防止を図っています。さらに2006年3月には、さらなる衛生水準の向上のため、カンピロバクター等の微生物による汚染防止対策を盛り込んだ「一般的な食鳥処理場に於ける衛生管理総括表」を作成し、食鳥処理業者に対する周知及び指導を行っています。

牛レバーについては、1996年に腸管出血性大腸菌O157による食中毒が社会問題となり、と畜場における衛生管理の重要性が改めて指摘されたことから、と畜場法施行規則を1996年に改正し、先進諸国において導入されつつあるHACCP方式の考え方を導入したと畜場における衛生的な食肉の取扱いの規定を盛り込むとともに、同法施行令を1997年に改正し、と畜場の衛生管理基準及び構造設備基準を追加し、食肉処理段階における微生物汚染の防止を図っています。




8)牛の生レバーや生の鶏肉は安全ですか?

家畜は、健康な状態において腸管内などにカンピロバクター、腸管出血性大腸菌などの食中毒菌を持っていることが知られており、家禽もカンピロバクターやサルモネラ属菌を保有している場合があります。

一方、今日の食肉又は食鳥処理の技術ではこれらの食中毒菌を100%除去することは困難とされています。したがって、食中毒予防の観点から若齢者、高齢者のほか抵抗力の弱い者については、生肉等を食べないよう、食べさせないようにしましょう。

なお、通常の加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)を行えばカンピロバクターや腸管出血性大腸菌などは死滅するため、牛レバーや鶏肉を食べることによる感染の危険性はありません




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参考資料:平成19年厚生労働省発表資料


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